てんさいサイコー人間国宝

DD(どう考えても天才が 大好き)

健康にオタクをするということ

横田くんのオタクを辞めた。横田くんはミリも悪くない。ただ私が色々と考えたくなってしまっただけだ。これはいわゆる厨降りブログというものになるんだと思う。こういうときにはてなを開いているのが、自分がどこまでも平成マインドのオタクで笑ってしまった。

多分すぐ消すと思うので読みたい人だけ読んでください。気持ち悪い自己満足の文章です。


2017年に出会ってから4年以上が経った。長かったとは言えないかもしれない、それでも私にとっては短かったとは言えない、そんな日々だった。

ずっと二次元オタクとして色々やってきた私は横田くんのオタクになりたいと思ったあの日、この界隈では目立たないようにしようと決めた。大人しく、黙々と舞台を観に行って、手紙を書いて、プレゼントをして。だけど、そんな些細な決め事をひっくり返させられた事件が起こった。とある特別番組で横田くんが共演者に「お前の色のペンライト振る人いるの?」というようなことを言われた。見返したりしていないのでニュアンスだけど、推しがこんなようなことを言われて、黙っていられるほど大人しい自分ではなかった。この共演者の方にはとあるイベントで「これからも龍儀をよろしくお願いします」って言われたので「一生推しまーす!」とデカい声で言っておいた。隣にいた横田くんは困ったような驚いたような顔で笑っていた。

乱舞祭で上限いっぱいのコーラルピンクを抱えて、友達にもこの曲の時だけはこの色を振ってほしいとお願いした。手紙も沢山出した。それから公開アカウントをできるだけ動かすようにした。あなたのオタクはいるんだよって横田くんに伝えること、世間に伝えることに必死だった。

だけど、2018年のカレンダーイベントで「埋まってないから次できないかも」と横田くんは言った。そんなことを推しの口から言わせてしまったことがオタクとして恥ずかしくて、死にたくなった。

バースデーイベントは前界隈からの友達に一緒に来てもらった。なのに悲しいほどの空席で、苦しくて、二日目はあまりのストレスに倒れてしまった。点滴を打って顔面蒼白で向かった。あの会場を見た横田くんが何を思ったのか分からなくて怖かった。私は自分が目立ちたくないからと自己中な考えを先行させて座席を埋める努力もせず最低だったと思った。

だから、この後この界隈で友達を作ろうと決めた。横の繋がりが増えればその分私を、横田くんを知る人は増えると思ったから。元より祝い花を出しただけで晒されてリアコと揶揄されるような界隈、ここまできたらとことん叩かれてやろうとも思った。てかピンクのフラスタ出しただけでリアコ花って言われるのなんだったんだろう。あのイベントに出ていたフラスタは3基でしたけど、叩いてた人は花出してたんですかね。

写真集発売イベントには友達をいっぱい連れて行った。横田くんはびっくりしていたけど、ありがとうって笑ってくれた。嬉しい言葉を沢山くれた。全部勘違いじゃなかったって確信をくれた。そして、いつも横田くんは人間国宝!って言っている私に対して真っ直ぐに「本当に人間国宝になれるように頑張るので最後まで見守ってください」と言ってくれた。それだけで生きていてよかったと思ったし、これからも生きられると思った。横田くんは忘れちゃったかもしれないけど、私はこの言葉を死んでも忘れないと思う。

その後の写真集イベントもバースデーイベントも完売した。横田くんの時代が来たと思った。「ねえさん、いつも人を呼んでくれてありがとう」と言われた。横田くんが魅力的なおかげだよと思った。推しが満席の会場で楽しそうに話す姿が誇らしかった。

ここまで舞台演劇の話を全然書いていないけど、横田くんの一生懸命なお芝居に惚れた私は、大きなステージを踏むごとに成長していく彼にどんどん惚れ込んでいった。ファンサもゼロズレも接触も幸せだったけど、彼がお芝居を好きでいてくれることに何よりの喜びを感じていた。そして、これからもお芝居を、演劇を好きでいてほしいと思った。

そんな折、コロナが流行し始めた。2月の公演が途中で止まり、4月からの公演も開幕を危ぶまれ、横田くんはTwitterでの様子がどんどんおかしくなっていった。私はずっと怒っていた。怒っていたけど、9月に延期されたその公演を悩み抜いた末観に行って、錚々たるメンバーの中で埋もれることなく輝く彼の才能に感動して、2年半ぶりに観た一般舞台を楽しむ彼の笑顔をまた大好きになった。

そして、年末に主演ミュージカルが決まった。しかも本多劇場。嬉しくないわけがなかった。これが成功すれば横田くんはもっと演劇が好きになってくれると思ったし、横田くんの名前は今以上に知れ渡ってくれると思った。一席でも多くの席を埋めたくて、観たいと思ってくれる人を募った。残席情報が○から△になったときは思わず手を叩いて喜んだ。正直、怖くて一度も後ろを振り向かなかったから実際のところどこまで埋まっていたかはわからない。だけど初日、カテコで晴々とした顔で0番に立つ横田くんを見て、全てが杞憂だったと思った。彼は心からこのカンパニーでのこの作品を楽しんでいる。それだけで十分だった。勿論、来てくれた全ての人には感謝してもしきれません。コロナ禍の下北沢に足を運んでくれて、横田くんのお芝居を沢山褒めてくれて、ありがとうございました。

2020年を終えて、走り切ったと思った。これを観るために生きてきたんだと思わされた作品だった。それに、「お前がいるから新規がつかない」と匿名の人間に言われ続けるのに疲れたので、現場に行かないようになった。私が現場にいなくても現場は回る。当たり前だった。

でもまた輝く横田くんを観たくなった。だから現場に足を運んだ。これが私の健康だと思った。私がいなかった半年間でオタクが増えたのかはわからない。バーイベは埋まっていた。こちらから喋ることはできなかったけど、どんな距離感なのかわからない距離感で声をかけてくれた。27歳になっても元気そうで良かったと思った。

そんな中、仕事をごにょごにょした。色んなことに耐えきれなくなって体調を崩したのと、11月の舞台をどうしても全通したかったから。去年末の再来だと思った。横田くんはこの舞台に人生をかけると言った。だったら私も同じ覚悟で挑まないといけないと思った。戯曲本を読んでわくわくした。彼が役者として更に開花する様を見届けないといけないと思った。招待も沢山出した。何度もキャスをやるうちに、あなたのキャスを聞いてチケットを買いましたと言ってくれる方もいた。だけど、演出家の方が「今のままだと赤字だ」と言った。まだだめなんだと思って、また招待を出せる相手を募った。いつの間にか開幕が楽しみな気持ちと隣り合って空席が不安な気持ちが大きくなっていった。今思うと、ここからもう不健康だったんだと思う。次はない、と推しに、そして推しを使ってくれた制作に思わせたくなかった。「チケットはまだありますので」、この言葉を聞くたびに自分の力のなさを実感して恥ずかしくなった。

初日、なんとなく見上げた客席は埋まっていたように感じてほっとした。何より、横田くんの芝居が最高だった。この不条理演劇2.5次元俳優と括られる彼らのオタクに見せるのはあまりにも挑戦的だと思ったけど、その挑戦状を受け取ってやろうと思って隅田川に通う決意をした。毎日変化するお芝居を観るのが楽しかった。毎日観たものを重ね合わせて、わからなかったことがわかるようになるのが面白かった。そして毎日色んな人から感想を聞けるのが幸せだった。いくらお金があったところで私が埋められるのは一席だけ。遠い劇場に足を運んでくれた全ての人への感謝が止まらなかった。

千秋楽はあっという間にやってきた。8日間しかないのだから当たり前だ。その日劇場に入って、客席を見て、良かったと思った。見上げた客席は埋まっていたように見えたから。ここまでは健康だった。だけど、「やりきれた」と思ってしまった。「終わるのが寂しい」よりも先にその感情が来てしまった。不健康だと思った。もう、ぐだぐだだった。自分を最低だと責めながらマチソワを観劇した。それこそ最低だった。元よりこの作品を通い終えたらオタクを辞めるつもりでいた。匿名の人間からの悪意に耐えられなくなったから。そこに更に自分のことが嫌いになったから、が理由に追加された。純粋に彼のお芝居だけを楽しみにしていた自分はもうどこにもいないんだと思った。とても申し訳なくなった。精神疾患のための薬を飲みながらふらふらで現場に通いチケットを配ることなんて誰も求めていないんだということにやっと気付いた。私は最悪な形でオタクを辞めた。


この文章を読んでいて、気持ち悪いと思った人は正常です。勝手な責任感を背負い、勝手に自滅した人間が私。どこからおかしくなったのかわからない。

ただ、大好きな推しに対して「こんなにしてやったのに」と思ったことが一度もなかったのは幸せだったと思う。全部仕事の場で返してくれた。横田くんが板の上で楽しそうに笑う度に私も笑った。オタクが増えても、どこにいても優しくしてくれた。こんなにも大好きにさせてくれた横田くんには一生感謝が尽きない。「最後まで」オタクとして見守ることができなくてごめんなさい。だけどこの先もきっとずっと大好きだから、遠くから横田くんの活躍を応援しています。


「健康にオタクをするということ」は実は「見返りを求めること」なのではないかと最近思うようになった。勝手に相手の人生を背負った気になって身を滅ぼすより、「ファンサがほしい」「イケメンに認知されたい」という欲望が丸出しな方が演者からしたらわかりやすいのではないかと思う。勿論そこにはかけた時間やお金の分だけ、という制約はあるが。

来世ではそういう健康なオタクになりたいと思う。この健康は一年そこらで推し変推し増しするDDになることでも成り立つと思うので、とりあえず気負わないDDとしてこれからは生きることにした。気付けばアラサーになっていたので今更認知とかはいらないけど、若いイケメンに無責任にキャーキャー言い、友達と美味しいご飯を食べ、二次元キャラへのリアコを拗らせて生きていく、そんな人生も悪くないと思う。

そしてたまに、私の人生で一番大好きだった人間国宝のお芝居を観に行けたら幸せだな。




おわり。